負荷運転(模擬負荷試験)

非常用発電機負荷試験とは?

『非常用発電機』とは、非常時の火災や停電下でも防災設備を機能させるための自家発電設備です。人命救助の現場で「火災で停電になったので防災設備が使えない」となっては元も子もないため、2018年6月1日に消防法の点検規定が改正され、非常用発電機に負荷をかけた点検と報告が必要となりました。負荷運転をしない場合、自治体によっては総合点検報告時に受理されない場合もあるため注意が必要です。

また非常用発電機負荷試験の実態は、2018年6月18日に発生した大阪北部地震をきっかけに明らかとなりました。非常用発電機を設置する医療施設のなんと6割以上が、必要な消防点検の実施ができていなかったのです。消火設備である屋内消火栓やスプリンクラーの電源は、発電機容量の30%以上の出力がなければ稼働しません。だからこそ30%以上の負荷をかけた状態での点検が必須となったのです。

出力不足で防災設備が稼働せず、いざという時に人命やライフラインを守れないのであっては設備として意味がありません。非常用発電機が有事の際にきちんと稼働するよう、新しく規定された法案では3つの点検方法が実施されます。以下は、そのうちの1つである負荷運転(模擬負荷試験)についてです。

負荷運転(模擬負荷試験)

発電機に対し、実際の非常時にかかる負荷(30%)を段階的にかける試験方法です。非常用発電機は非常時に作動する設備の3倍以上の出力のものを設置するように定められているため、「30%の負荷」ということになります。この試験ではメンテナンス効果も期待でき、設備を長持ちさせるのに有効といわれているため、コストや安全性を考慮してもっとも推奨されています。

【作業時間】約3時間(無停電で実施可能)
【実施周期】毎年、もしくは保全策を行う場合は6年に一度

点検報告について
内発協/2018年7月発行
消防庁リーフレット
負荷運転に関する省令の流れ早見
予防的保全措置詳細
内部観察

一覧に戻る

▲TOPへ